菊池省三の「話し合い」指導術: 小学生版 白熱教室のつくり方
小学生版“白熱教室”のつくり方!
例えば菊池先生には「ほめ言葉のシャワー」という実践がある。それは毎日一人ずつの児童が順番に、クラス全員から30秒ずつのほめ言葉のシャワーを浴びるというものだ。クラス全員が一巡するうちに、彼らの中にはひとりでに、自身への肯定感が育つばかりではなくクラス全員への肯定感も生まれ、簡潔にしてしかも創造的な話法の技術も身についてくる。
日本人は会議下手と言われる。会社の会議や職員会議、はては国会に至るまで、効率よくクリエイティヴな会議が行われているところを見つけるのは、とても難しい。ここに紹介する菊池実践は、そんな中にあって極めて具体的で目覚ましい成果を上げている実践である。菊池先生の指導のもとでは、問題とされていた学級崩壊や学校崩壊は短時間のうちに解消されるばかりか、学級そのものに会話力がつき、互いの肯定感が生まれ、学力や生活力もぐんぐんついてくる。
7月には、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも取り上げられた菊池教室。新指導要領の「言語活動」や「学級経営」への大きなヒントになるばかりではなく、将来の日本を背負う「話し合い上手」の児童を育てるための大きな指針となるだろう。